01 / 入力情報

まず情報を分類し、必要な分だけにする

「社内情報なら入力してよい」「個人情報はすべて不可」と一律に決めるだけでは、実際の業務で迷いが残ることがあります。組織の情報管理規程を基準に、公開情報、社内限定情報、機密情報、個人情報などの区分と、AI利用の可否・条件を対応づけます。分類名や許可範囲は、会社や業務ごとに定める必要があります。

次に、処理に本当に必要な情報を見極めます。たとえば問い合わせ文の分類が目的なら、氏名や連絡先を含めず、内容の分類に必要な部分だけを使えないか検討できます。氏名を別の記号に置き換える場合も、他の情報と照合して本人が分かる可能性がないか、置き換え前の情報をどこで扱うかを確認します。単に一部を伏せれば安全だと決めつけず、利用目的とデータの性質を踏まえて判断してください。

確認する観点担当者と決めておくこと
情報の区分組織の分類基準に照らし、入力対象がどの区分に当たるか。
利用目的何の処理に使うのか、目的外の再利用を防ぐ方法は何か。
最小化不要な識別情報や添付資料を除けるか、加工後も特定につながらないか。
許可・禁止条件許可する担当・業務・サービスと、入力しない情報や例外時の相談先。

02 / サービス条件

保存・学習利用・権限は提供者の資料で確認する

データの扱いはサービス、契約プラン、設定、契約条件によって異なる場合があります。このページから特定サービスの保存や学習利用の有無を断定することはできません。利用するサービスの最新の公式説明、契約条件、管理画面の設定を確認し、判断した日付や参照資料も社内で分かるようにしておきます。

  • 保存と削除

    入力・出力が保存される範囲、保存期間、削除方法や削除後の扱い

  • モデルへの利用

    入力データがモデルの改善・学習に使われる条件、設定による違い

  • 保管と移転

    データの保管場所、国外移転や再委託に関する説明

  • アクセスと記録

    管理者権限、利用者ごとのアクセス制御、ログの内容と閲覧者

資料に書かれている内容だけで判断しにくい場合は、提供者への確認に加え、社内の契約・情報管理の担当者にも相談しましょう。重要な業務であれば、条件が変更された際に気づけるよう、再確認の担当と時期を決めておくと運用に組み込みやすくなります。

03 / 業務のデータフロー

入力画面の先にある複製や判断まで追う

確認対象はAIサービスに送る瞬間だけではありません。元の業務システムから何を取り出し、どのサービスを通り、出力がどこへ保存・転記され、誰が閲覧するのかを一連の流れとして書き出します。連携によって情報が複製される場所、誤送信や権限設定の誤りが起こりうる場所、AIの提案が顧客や従業員に関わる判断へ渡る場所を見つけます。

既存の文書や業務記録の間を流れる情報と人の確認点
入力元、AIサービス、保存先、閲覧者を並べ、受け渡しと確認の位置を洗い出すイメージです。
  1. STEP 01

    入力元

    どのシステム・担当者から、どの項目を取り出すか

  2. STEP 02

    処理

    どのサービスへ渡し、どの設定・権限で扱うか

  3. STEP 03

    出力先

    結果をどこに保存・転記し、誰が閲覧できるか

  4. STEP 04

    判断

    人がどこで照合し、誤りや例外をどう止めるか

04 / 判断・例外・見直し

責任者と、迷ったときに止める手順を決める

利用可否を誰が判断するか、通常の確認担当者と例外時の相談先は誰かを明らかにします。担当者が不適切な情報を入力した、意図しない相手に共有した、または出力に誤りや機微な情報が含まれていると気づいたときは、処理や共有を止め、定めた窓口へ連絡し、影響範囲を確認する手順が必要です。AIの提案をそのまま顧客対応や人事・業務上の判断に使わず、影響の大きさに応じて人が確認できるようにします。

気づいたら止める

追加の入力・転記・共有を止め、連絡先と初動を手順に明記します。

人が確認し、記録する

誤りの影響に応じた確認者を定め、修正や判断の記録を残します。

変更時に見直す

利用サービス、入力データ、連携先、業務目的が変わったら再確認します。

利用条件の変更だけでなく、業務側の変化も再確認のきっかけです。新しい種類のデータを扱う、利用者を増やす、出力を自動で別システムに登録する、といった変更があると、以前の確認がそのまま当てはまらないことがあります。個人情報や機密情報に関する判断、法令・契約上の解釈が必要な場合は、記事の一般的な確認項目だけで結論を出さず、社内の担当者や専門家に確認してください。

迷ったら、この順で確認する

情報を分類する → 必要な項目に絞る → サービスの最新条件を調べる → 業務内のデータの流れと権限をたどる → 判断担当者と例外手順を決める。すべてを一度に自動化するのではなく、入力範囲を限定し、人が確認できる小さな業務から検討すると、運用上の論点を把握しやすくなります。

利用ルールや連携範囲を業務ごとに整理したい場合は、AI利用ルールと確認体制づくり、既存ツール連携設計もご覧ください。

AI利用前の確認事項を整理したい方へ

対象業務や情報の流れ、確認体制について、現在気になっている点をメールでお知らせください。メール作成画面を開きます。送信はお使いのメールソフトから行ってください。

実務で使える確認ツール

導入前の確認シート

利用可否を決める前にそろえる項目

下記を担当者と一つずつ確認し、組織の規程や業務に合わせて記録してください。

  • 情報の分類と、入力してよい範囲を組織内で決めた
  • 利用目的に必要な項目だけに絞れるか検討した
  • 利用するサービスの最新の条件と契約上の扱いを確認した
  • 入力元から連携先・保存先まで、情報の流れをたどった
  • 利用可否の判断担当者と、例外時の連絡・停止方法を決めた
  • 条件や業務が変わったときに見直す機会を設けた